UIの常套句は最善か?

2011/10/21 3:44 AM

 

(連続ツィートを若干編集)

さて、UIの話。

よくある話だが、エレベータの開ボタン、閉ボタンが隣合わせであること。あとから乗ろうとする人に開けてあげるつもりが閉めてしまい、お互いに見つめ合ったままドアが閉まる経験はあるだろうか。隣り合っている引き金が全く異なる結果を招く。

それぞれのボタンの役割はドアを開ける、閉める、という機械的への指令であるが、使う人間にとっては、それがもたらす結果に大きな違いがある。

であれば、ボタンの位置関係、大きさ、さらには押すという操作も変えることが、操作ミスを防ぐことになる。

操作をミスっても、危険な方には転ばないようにする。ところが、ショッピングモールなどのエレベータは、「閉」ボタンを押すまで自動で閉まらない、という運用プログラムの変更で回避するという手段に出る場合も。設置後の交換が困難だから。しかし本来、設置前に判断されるべきこと。

さて、ソフトウェアのUI設計をする上で大切なのは、

1. ユーザを迷わせないこと
2. ユーザのミスを防ぐこと
3. ミスを救済する可能性を残すこと

である。

この3つの要素が適切に検討、設計、実装されていないシステムは、まともに、あるいは、深く使われない。つまり育たない。

操作ボタンの例。見積書を作る業務のために、顧客を検索、検索結果の一覧から一つの顧客を選んで、見積もり内容を入力、印刷する。検索画面には、顧客番号、顧客名、最新の取引日時などの検索条件、検索ボタンとリセットボタン…。

「リセットボタンは必要か?」「並べていいのか?」

実際、業務の画面において検索条件のリセットが必要なケースは少ない。複数の条件を様々に変えて検索するケースはあまり無いと言ってよい。そうなると、リセットボタンそのものは不要だ。

必ず使う検索ボタンとはっきり区別して、控えめに、右上隅などに配置するのがよいだろう。

iOSではリストを絞り込むために、リストの最上部に検索用のフィールドがある。このフィールドには右隅にXボタンがあり、これがリセット。一方、検索ボタンはキーボードに。物理的に離れているから両者を押し間違えることはない。

ただ、テキストをタップしてXを押すミスはあるが。

一覧から顧客を選択し、見積り入力画面に遷移。ここは課題が多い。

– 明細の追加方法。最初からある程度の空行があるのか、最後の空行に追加していくのか。
– 順番の入れ替え方法。ドラッグ&ドロップ?移動先をドロップダウンで選択?
– 行の削除方法。ワンアクション?ツーアクション?

保存、印刷、そして、取り消しボタン。

操作系を一つのパネルに入れた見た目のシンプルさにとらわれて、これらを同じように並べてしまう例がよくある。

しかし、保存と取り消しはシビアな選択。

取り消しを押したら、ダイアログで確認しよう…。

「入力を取り消してもよろしいですか?」

OK or キャンセル? どっちが右でどっちが左?

OKボタンは、Macは右でWindowsは左?

待てよ、OKはEnterキーで入力可能。Enterキーで危険な選択がなされていのか?

ここではOK-キャンセルは避けるべき。

一部の業務を除き、入力内容の取り消し、削除の決断を迫るダイアログでは、「OK-Cancel」の選択は不適切だ。

起きる結果を表示する。つまり何分間かかけて入力された内容を抹消するかを問う。

ボタンにも「取り消し」は不適切。「抹消」「入力に戻る」が適切だろう。

保存したら、一覧画面に戻る。戻ったとき、先ほど選択した顧客は選択状態にするのか。

業務中は何かと割り込みが多い。今の作業と全く関係の無いクレームの電話対応があるかも知れない。

さっき自分がどこまで作業したのかが分かる手がかりを残すような配慮をできないだろうか?

現在常套句となっているUIを模倣する前に、果たしてそれが最善か検証せよ。

ユーザのミスに寛容なシステムは、ユーザが機能を試す機会を提供することにつながる。

快適なUIを工夫して提供し積極的に使ってもらうサイクルは、業務とシステムを深化させ、双方の利益につながっていく。



コメントはまだありません

まだコメントはありません。

RSS feed for comments on this post. TrackBack URI

コメントを書く

WordPress Themes